磁性アタッチメントの
5つの特徴
特長
1
着脱が容易
磁性アタッチメントは、磁力を使って維持力を発揮するため、装着時の方向の自由度は高く、磁石構造体とキーパを接触させるのみで装着できます。機械的に嵌めこむ力は必要ありません。また、磁石の特性上、横にずらすと取り外しやすくなります。
今後さらなる増加が見込まれる要介護高齢者の義歯管理を考慮すると、安定した維持力、容易な装着と撤去という点で高い有効性がある*1とされています。
*1:令和3年8月 日本歯科医学会「磁性アタッチメントを支台装置とする有床義歯の診療に対する基本的な考え方」より引用
特長
2
清掃が容易
磁性アタッチメントは、金属製のバネなどの留め具を必要としません。凹凸部がないシンプルな構造になっています。そのため、清掃が容易にできます。
特長
3
支台歯への負荷低減
側方にずれやすい性質があるため、有害な側方力や回転力が発生しにくいとされています。
支台歯にとって有害な側方力に対しては、強力に維持力を発揮しないので、支台歯を側方力から守る働きもある*1とされています。
*1:「歯学生のパーシャルデンチャー」三谷春保、小林義典、赤川安正編, 医歯薬出版株式会社より引用
特長
4
審美性
義歯内側の磁石構造体で義歯を吸着しているため、クラスプのみを用いた義歯と比較して金属の露出が少ない特徴があります。そのため、審美性に優れた義歯を設計しやすくなります。
特長
5
支台歯の歯冠歯根比の
改善
支台歯の喪失に大きな影響を及ぼす因子として、支台歯の臨床的歯冠歯根比が挙げられています。
歯冠歯根比が悪くなってしまった歯でも支台歯として有効に使用でき、歯冠歯根比を改善することができます。
「1:1以下の場合には支台歯の処置が必要であり、磁性アタッチメントが有効である」
令和3年8月 日本歯科医学会「磁性アタッチメントを支台装置とする有床義歯の診療に対する基本的な考え方」より
歯冠歯根比とは、歯が歯槽骨から出ている部分(a, c, e)と、歯槽骨に埋まっている部分(b, d)との長さの比率。歯冠1に対し、歯根の長さが1.1以下の場合は、何らかの改善が必要とされている。
磁性アタッチメントを利用すると支台歯の歯冠歯根比が改善され、着力点が低くなる。