2017年に3カンパニー・3本部から始まったカンパニー制。目まぐるしく変わり続ける社会環境の中でも年輪的成長を果たすべく、2020年より4カンパニー・4本部の組織体制に進化し、より一層強い組織として活動をスタートしています。今まで以上によりよいモノづくり・人づくり、組織運営を進め、2030年ビジョン達成を強力に推進していきます。

コーポレートオフィス

横串機能としてカンパニーの運営を横断的にチェック・統制する4本部で、カンパニーの支援を通じてモノづくりのサポートを行います。2020年1月より、モノづくり・未来創生本部を「開発本部」「モノづくり革新本部」に分離独立し、開発テーマの事業化スピードを加速させるとともに、カンパニーとの連携強化を図っています。

  • 企画創生本部
    総合企画部 ITマネジメント部 総務・広報部 人事部 経理部
    機能:コーポレート機能強化、経営資源の最適化
  • お客様本部
    営業企画部 トヨタ営業部 東京支店 名古屋支店 大阪支店
    機能:顧客軸と商品軸両面でのマーケティング強化
  • 開発本部
    技術統括部 未来創生開発部
    部品開発部 材料試験技術部 シリコンバレー事務所
    機能:新商品開発、企画推進・材料試験による開発サポート
  • モノづくり革新本部
    調達部 生産管理部 設備技術部
    機能:モノづくりにおける企画・調達・生産サポート

カンパニー

事業ごとに製造・生産技術開発機能を持つ各カンパニーでは、プレジデントによる強力なリーダーシップの発揮や、意思決定の迅速化により、モノづくり力の更なる強化を図っています。2020年4月より、鋼カンパニーから分離独立したステンレスカンパニーも含む4カンパニーで、お客さまニーズに応え収益向上への牽引力強化を果たしていきます。

  • 鋼(ハガネ)カンパニー
    モビリティ社会の発展に貢献する特殊鋼トップメーカーへ
    機能:鋼材の製造および生産技術開発
  • ステンレスカンパニー
    ステンレス鋼材・エンジニアリングでサステナブル社会実現に貢献
    機能:ステンレス形鋼、丸棒、鉄筋およびエンジニアリング
  • 鍛(キタエル)カンパニー
    熱間鍛造品メーカーから部品完成品メーカーへ進化
    機能:鍛造品の製造および生産技術開発
  • スマートカンパニー
    素材と技術で世界の人々に安全と安心を
    機能:電子部品・磁性材料をはじめとした次世代向け機能商品の営業、製造、生産技術開発

鋼カンパニー

事業概要
鋼材の製造および生産技術開発
鋼事業統括部、鋼生産技術部、知多工場
◆主管子会社:アイチセラテック(株)、近江鉱業(株)、アイチ物流(株)

モビリティ社会の発展に貢献する
特殊鋼トップメーカーへ

プレジデント 経営役員
石神 隆志

profile
スマートカンパニープレジデントを経て、2019年4月に鋼カンパニープレジデントに就任。

事業リスクと機会(取り巻く環境、背景)

国内の鉄鋼需要は、人口減少や安価な海外材の輸入、代替新素材の開発などの様々な環境変化により、減少することが予測されています。

特に、自動車のダウンサイジング化や、電動化の動きは特殊鋼の原単位減少につながり、当社にとって大きな市場縮小リスクです。しかし私たちは鋼が持つ価値拡大の可能性を広げるチャンスと捉え、電動車に継続搭載されるギヤやシャフトなどの駆動系部品について、対象部品の選定・開発をお客さまと連携しながら進めるなど、市場の拡大を目指した活動を開始しています。

また、持続可能な地球環境の実現に向け、社会のCO2削減のニーズは更に高まり、規制もより厳しくなることが予想されます。当社は鉄スクラップを原料とする資源循環型企業である一方、エネルギー多消費産業である電炉メーカーであり、CO2削減に取り組む社会的責任は大きいと考えています。

社会の要求に応え革新的・積極的に環境負荷低減に取り組むべく、電炉で国内初となる排熱回収装置の立ち上げや、副産物のゼロエミッション化を進めるとともに、鍛鋼一貫の強みを活かした工程省略による省エネなど、幅広い活動を推進しています。

2019年度の取り組み成果(実績)

「限量経営」による総費用低減に重点を置き、限量経営8本柱(寄せ止め、原単位改善、要員マネジメント…など)を掲げて取り組みを推進しました。圧延工程の加熱炉寄せ止めの例では、3つの炉を2つに集約するため、生産管理と連携して鋼種・サイズを調整した生産計画を作り上げ、ベキ動率向上の取り組みも行った結果、燃料原単位の大幅な低減を可能とし、量に合わせた最適な生産体制を実現しました。

また、電動車向け駆動系部品について、複雑かつ多様化するお客さまごとの熱処理条件に応えるべく、高品質かつ確実な納期対応を可能とする鋼材熱処理炉を建設しました。工場内に離れて設置されていた設備を集約・統廃合することで、安全かつ安定的な鋼材供給が可能となったほか、従来と比較しCO2排出量も低減されました。

燃料原単位・生産量指数
燃料原単位・生産量指数

建設した鋼材熱処理炉

2030年ビジョン達成に向けた今後の成長戦略(カンパニービジョン)

自動車の機構変化により特殊鋼需要が減少する中で、引き続きモビリティ社会の発展に貢献し収益を確保していくためには、強靭な基盤づくりが重要です。私たちは、以下の重点課題3本柱に沿って活動を展開することで、継続的な成長を目指します。

重点課題1 製品・販売戦略

国内では、私たちが持つ鍛鋼一貫の強みを活かし、更に製品の価値を高めていくべく、開発部門と鍛カンパニーとの連携で、材料から最終加工までを見据えた電動車向け部品の開発・製造を推進します。工程省略・スリム化で、トータルでのコスト低減、省エネ・省資源化を実現し、新たな市場への進出を図ります。

国外では、インド・アセアン地域におけるエンジン車市場の拡大および鋼材需要の高まりをチャンスと捉え、海外材との競争に勝ち抜き新たな市場を獲得するべく、インドのバルドマンスペシャルスチール社との資本提携・技術支援を開始しました。当社から日本人スタッフを駐在させ、技術指導による品質・コスト競争力向上を進めるとともに、グローバルで鋼材製品の安定供給体制を構築していきます。

重点課題2 製造戦略

特にエネルギー消費が大きい製鋼工程において、環境負荷低減・コスト低減の取り組みを進めることが重要だと捉えています。ラインの整流化や工程省略などを織り込んだ「製鋼プロセス改革」の推進により、省エネルギー化と生産性向上の両立を図るほか、スクラップリエンジによる鉄源改革で、更なるコスト競争力強化を進めていきます。

重点課題3 子会社戦略

子会社3社(アイチセラテック(株)、近江鉱業(株)、アイチ物流(株))との関係性をより一層重視し、連携強化する事業と独自ビジネスを強化する事業を明確に分類し、適時適切に支援することで、連結での収益最大化を目指します。

TOPICS

副産物のリサイクル技術で地球環境へ貢献
~「ASショット®」が「2020愛知環境賞」銀賞受賞~

「ASショット®」は、製鋼工程における副産物のスラグを当社独自の技術で、高強度研削材としてリサイクルしたものです。橋梁、自動車、造船、各種文化財など幅広い分野で塗装の下地処理やさび落としに使用され、低粉じんで繰り返し使用可能という特長を持っています。

一般に広く使用されている天然鉱産物(ガーネット)系研削材などと比較して硬度・強度に優れ、耐久性も高いため、お客さまの使用量・廃棄処理量の削減、更にはガーネットの採掘量削減など、多くの面で環境負荷低減に貢献しています。

これらの環境に対する貢献が認められ、愛知県主催の第16回「2020愛知環境賞」で銀賞を受賞しました。

ステンレスカンパニー

事業概要
ステンレス形鋼、丸棒、鉄筋およびエンジニアリング
ステンレス事業統括部、ステンレス生産技術部、刈谷工場
◆主管子会社:愛鋼(株)、アイチ テクノメタル フカウミ(株)

ステンレス鋼材・エンジニアリングで
サステナブル社会実現に貢献

プレジデント 執行役員
深津 和也

profile
2020年4月にステンレスカンパニープレジデントに就任。

事業リスクと機会(取り巻く環境、背景)

世界では、ステンレス粗鋼生産量 年間約5000万トンに対し、生産能力は年間7000万トンと約1/3が供給過剰な状況にあります。この需給バランスの不安定な状況は当面継続すると考えられ、ステンレス鋼メーカー間の競争激化が懸念されます。

日本国内では、厚板の切断工法が日々進化しており、平鋼の受注が減少傾向にあります。また、薄板・中厚板のフォーミング技術も進化し続けており、形鋼(アングル、チャンネル)の受注も伸び悩んでいます。今まさに、熱間圧延平鋼・形鋼の市場における存在価値が問われています。

一方、市場に目を向けると、水素社会化への対応(水素エネルギーチェーン:製造・液化・運搬・貯蔵・発電・FCVほかへの提案)、インフラクライシスへの対応(インフラ維持・更新需要の関わる高耐久化要請ほかへの提案)など、サステナブル社会の実現に向けた新たなステンレス鋼需要が見込まれ、当社にとっては大きなチャンスです。お客さまに当社の平鋼・形鋼を選択していただくため、お客さまの工程省略に寄与するVA提案を中心としたきめ細かな「市場創出活動」を積極的に進めていきます。

2019年度の取り組み成果(実績)

2019年度は、前年度比5%増の64千トンの生産実績であり、生産数量が増える中、ネック工程の生産能力増強とフレキシブルな生産対応でお客さまの納期にお応えしてきました。

同時に、2019年4月、鋼カンパニー内にステンレス鋼事業部を新設し、ステンレス事業の成長戦略の企画立案を進め、2020年4月、ステンレスカンパニー発足と同時に具体的な活動を開始しています。また、部材・部品製作の拠点として、愛鋼(株)衣浦第2工場を立上げ、主に土木分野向けのステンレス部材製作を開始しています。まだ育成段階にありますが、早期戦力化を図っていきます。

12月には、当社が工場製作・現場施工を手掛けた「ステンレス製キュービックコネクション(北海道秩父別町)」において、ステンレス協会賞の優秀賞を受賞しました((株)都村製作所との連名受賞)。溶接H形鋼ほか46トンの建築構造用ステンレス鋼材SUS304Aが使用されています。

愛鋼株式会社 衣浦第2工場
愛鋼株式会社 衣浦第2工場
ステンレス製キュービックコネクション(北海道秩父別町)
ステンレス製キュービックコネクション
(北海道秩父別町)

2030年ビジョン達成に向けた今後の成長戦略(カンパニービジョン)

ステンレス鋼の持つ様々な特長を活かし、「地球のため、社会のため、人のため」を念頭に鋼材メーカーから部品・部材視野のエンジニアリングメーカーを目指します。その実現に向け、営業力基盤強化のため「提案型エンジニアリング営業」の人材育成を進め、部材・部品の営業体制の充実を図っていきます。また、モノづくり力基盤強化のため、安全でより効率的な生産体制を支える「技術の伝承・革新」を進め、刈谷工場への積極的な投資を検討していきます。重点課題は以下の2点です。

重点課題1 基盤強化「限量経営の定着と明るく風通しの良い職場づくり」

安全最優先・品質第一のモノづくりを実践するとともに、総費用管理、要員管理を徹底して生産コストを低減し、損益分岐点を下げ、生産量に左右されない「限量経営」の定着を図ります。また、小刻みなサイクルで情報管理・共有を図り、生産量の変動、生産形状・寸法の変動にフレキシブルに対応していきます。

新カンパニーとしての風土づくりとともに、1人ひとりが力を発揮できる明るく風通しの良い職場づくりを進め、「ステンレス ONE TEAM」の団結力を培っていきます。

重点課題2 成長戦略「6つのプロジェクト展開による収益拡大」

ステンレスカンパニーの成長を図るため、6つのプロジェクトを展開していきます。

プロジェクト 1
商品戦略の見直し
(商品レパートリーと製造工程の最適化)
プロジェクト 2
アライアンスの組立て
(自閉せず、様々な外部連携の検討)
プロジェクト 3
部材・部品ビジネスの拡大
(鋼構造エンジニアリング機能の強化)
プロジェクト 4
連結子会社の連携強化
(愛鋼(株)、アイチ テクノメタル フカウミ(株)など協業拡大)
プロジェクト 5
製造工程の見える化・つくりの改善
(将来の工場レイアウト提案)
プロジェクト 6
新市場創出
(水素社会化・インフラクライシスへのアプローチ強化)

様々な用途で用いられる当社のステンレス鋼

配水池の内部補強(耐食性)
配水池の内部補強(耐食性)
愛知製鋼(株)本館の内部階段(意匠性)
愛知製鋼(株)本館の内部階段(意匠性)
燃料電池自動車MIRAIの充填口(耐水素ガス脆化)
燃料電池自動車MIRAIの充填口(耐水素ガス脆化)
清水寺・土砂災害復旧の法面保護工(耐久性)
清水寺・土砂災害復旧の法面保護工(耐久性)

TOPICS

ステンレスカンパニーとして独立

2020年4月、ステンレスカンパニーは鋼カンパニーから分離独立して発足しました。当社創業の地であり80年の歴史がある刈谷工場で、1958年に国内初の熱間成形ステンレスアングルを生産して以来62年が経ちます。サステナブル社会の実現に向け、ステンレスへの期待が高まる今、満を持しての設立となりました。

ステンレスカンパニーの組織は下図の通りです。特徴として、ステンレス事業統括部内にステンレス戦略企画グループに加え、市場創出活動を推進するステンレス市場創出グループおよびステンレスAEグループを配置しています。また、モノづくりの拠点として、ステンレス形鋼・平鋼を製造する刈谷工場とステンレス部材・部品製作をする愛鋼(株)衣浦第2工場を一体運営していきます。

「地球のため、社会のため、人のため」、カンパニー元年として大変革をおこし、当社収益の柱に成長していきます。

鍛カンパニー

事業概要
鍛造品の製造および生産技術開発
鍛事業統括部、鍛造生産技術部、鍛造工場
◆主管子会社:(株)アスデックス、AFP(フィリピン)、AFU(アメリカ)、AFT(タイ)、SAFC(中国)、AFI(インドネシア)

熱間鍛造品メーカーから
部品完成品メーカーへ進化

プレジデント 代表取締役副社長
中村 元志

profile
モノづくり・未来創生本部 副本部長を経て、2019年4月に鍛カンパニープレジデントに就任。

事業リスクと機会(取り巻く環境、背景)

少子化や若者の車離れなどによる自動車需要の減少と自動車の電動化による鍛造品の減少に加え、海外での部品現地調達化が進むことにより、国内の鍛造品市場は縮小傾向になると予想されます。

この市場縮小で始まる鍛造業界再編の中で、私たちは鍛鋼一貫の強みを活かした業界トップクラスの生産能力、高い技術力に加え、付加価値向上と原価低減を更に強化していくことでプレゼンスを高め、お客さまの期待を超えたモノづくりを通して “Company of Choice Globally” 選ばれ続ける製品づくりを進めています。

また、労働人口の減少による人手不足が製造現場に影響を及ぼすこともリスクとして予想されます。限られた人数で生産性を最大にすることが求められる中、設備の生産性向上や自働化による省人の推進などハード面での対策だけでなく、人材育成・働き方改革などソフト面の対策を進めることで1人ひとりの生産性を高め、真の競争力向上を図っていきます。

2019年度の取り組み成果(実績)

環境変化による生産量増減にも迅速かつ柔軟に対応し常に利益を出せる体質にするため、「限量経営」を推進しています。その一環として2019年度は必要な量を、それに見合った原価でつくる「量見合い化」の考え方を現場で共有し徹底しました。また、金型設計の改善による材料費削減などの「原価改善」も行ったことにより、販売数量減の逆風の中でも一定の利益を出すことができ、体質強化にむけての足固めができたと感じています。

安全活動を前提とした上での最重点活動として、「品質ロス低減活動」も実施しました。良品条件を探求するスタッフ部門と、良品条件を標準化し維持管理を実行する製造部門で協力し合い、収益への貢献を実現しました。

原価の量見合い化と原価改善
原価の量見合い化と原価改善
不良ロス金額(指数)
不良ロス金額(指数)

2030年ビジョン達成に向けた今後の成長戦略(カンパニービジョン)

お客さまに選ばれ続け年輪的に成長するためには、広く社会に対して役割を果たし、世のため人のためのカンパニーであり続けなくてはなりません。以下の重点課題5本柱に沿った活動で競争力をより強化し、いつまでも“Company of Choice Globally”であり続けることを目指します。

重点課題1 完成品メーカーへの進化

今後、自動車メーカーは「モビリティカンパニー」として、先進領域開発に比重を置くことが予想されます。そこで、現在はお客さまの工程である機械加工領域も私たちが担い、付加価値の高い完成部品を提供することで、お客さまへ貢献します。

重点課題2 新商品の開発

次世代車へのシフトが加速する中、お客さまニーズに最大限応えるため、EV・FCV向け部品を中心に新商品開発を推進します。鍛鋼一貫の強みを活かし、材料から加工までを見据え、お客さまと一体となった開発により、高機能・低コストを実現させます。

重点課題3 多品種生産体制の構築

業界再編時にも、お客さまの安定的な部品調達に貢献していくためには、当社がどんな部品でも生産可能な受け皿となっていくことが必要です。業界動向を注視し、多品種を効率的に生産できる手段・設備の検討、開発を進めます。

重点課題4 国内外のカンパニー連結力強化

国内外問わず、お客さまの良品廉価のニーズに応え、選ばれ続ける製品づくりをするためには、グローバルで同水準のモノづくり力を実現する必要があります。日本はマザー工場としてモノづくり力を更に磨き上げ標準化し、海外拠点への展開・定着を進めるとともに、相互研鑽することで、連結力をより一層強化し、グループ全体でのレベルアップを図ります。

重点課題5 環境対策

持続可能な地球環境への貢献としてCO2排出量削減に向け、エネルギー消費量の低減を目的とした材料加熱設備の高効率化や、熱処理炉の燃焼効率向上などの設備改善を進めます。また、鍛鋼一貫の技術力を活かし、熱処理工程を省略できる部品の開発などエネルギー効率のよい鍛造プロセス確立を推進します。

TOPICS

プレジデントが中心となってAichi Wayの実践を推進

プレジデントが現場で直接指導にあたる様子
プレジデントが現場で直接指導にあたる様子

Aichi Wayの実践を通じ、どのような環境下であってもメンバー全員で一丸となって乗り越えられる風土づくりを、プレジデントが中心となって推進しています。

製造現場のやり切り活動を定期的に現地点検(伝承:現場主義)するほか、業績説明会などの機会を活用し、直接社員へ労いの言葉をかけたり(感謝)、現場の創意工夫改善事例を全員で共有する(創造)など、常にプレジデントと社員が一体となって活動することで、強い組織づくりを進めてきました。

これにより、カンパニー全体で1人ひとりが役割を持って課題解決に取り組む風土がより一層醸成され、今回の新型コロナウイルスの影響による供給課題にも、迅速に対応できました。

スマートカンパニー

事業概要
電子部品・磁性材料をはじめとした次世代向け機能商品の営業、製造、生産技術開発
スマート事業統括部、センサ事業室、磁石事業室、電子部品事業室、スマート生産技術部、東浦工場、岐阜工場、関工場、電子部品工場
◆主管子会社:AME(中国)、AMC(チェコ)、AMT(中国)、Ae(ドイツ)

素材と技術で
世界の人々に安全安心

プレジデント 取締役 経営役員
小島 勝憲

profile
鍛カンパニープレジデントを経て、2019年4月にスマートカンパニープレジデントに就任。

事業リスクと機会(取り巻く環境、背景)

自動車業界のCASEの動きは今後ますます加速することが想定され、タイムリーに対応して行くことは喫緊の課題です。私たちは主にAutonomous(自動運転)とElectric(電動化)の分野で、次世代モビリティ社会の実現に貢献していきます。Autonomousでは、交通事故の低減や過疎地の交通手段確保などに貢献できる磁気マーカを使用した自動運転支援システム「GMPS」の実用化に向けた取り組みを、Electricでは、電動車向け放熱部品であるパワーカード用リードフレームの製造や重希土類を使用しないDyフリーボンド磁石「マグファイン®」を使用したEV主機モータの開発に取り組んでいます。

一方、持続的な世界を実現する目標としてSDGsへの関心が高まっています。企業は利益追求のみならず、社会課題解決への貢献で価値が問われる時代です。私たちは、自動車業界という枠を超えて、SDGsに関連する多くのソリューション事業を保有していることが強みです。達成すべきSDGs目標を具体的に設定して技術開発や製品の製造に取り組み、国際社会の一員として価値を創造していきます。

2019年度の取り組み成果(実績)

より強い組織になって会社収益の柱となるべく、生産性向上や固定費の削減などによる「限量経営」実践に加え、グローバル販売網の構築など営業力強化を図ったことで、収益・基盤強化を実現し、全事業で年計目標を達成することができました。

CASEへの対応としては、電動車に不可欠な放熱部品であるパワーカード用リードフレームの需要拡大を見据え、岐阜工場内に第2ラインを建設しました。BCPへの対応も兼ねて同製品を扱う知多工場を含めた生産能力は2017年度の約3倍となり、高品質な製品の確実かつタイムリーな提供を実現しました。

また、磁気マーカによる自動運転支援システム「GMPS」においては、2019年度はBRT(バス専用道)や空港などの特殊環境下を含めた15回の実証実験で問題点の検証・知見の蓄積を行うなど、実用化に向けた取り組みを推進しました。

岐阜工場 第2ライン
岐阜工場 第2ライン
「GMPS」実証実験の様子
「GMPS」実証実験の様子

2030年ビジョン達成に向けた今後の成長戦略(カンパニービジョン)

高機能素材の提供を通じた次世代モビリティ・スマート社会への貢献に向け、専門性の高いプロ集団として、5事業それぞれを着実に成長させ、当社収益の柱としていきます。

また、SDGsの観点から「エネルギー」 「健康な生活」 「食糧」 「安全な公共・交通システムの構築」の4つを価値創造領域と定め、それぞれの事業で設定したSDGs目標の達成で、国際社会の一員としての責任を果たしていきます。

電子部品事業:電動車向け放熱部品メーカーへ

電動車向けのパワーカード用リードフレームについて、需要拡大に対応するための安定的な供給体制構築を進めます。また、エネルギー効率向上に向けて進化する関連ユニットに対応する製品開発を進め、主に「エネルギー」領域で貢献していきます。

目標7

磁石事業:部品指向で提案できるイノベーティブメーカーへ

材料である磁粉の開発・製造から自社で行える強みと、一体射出成型技術を活かし、完成部品まで提案できるメーカーを目指す中で、特にエネルギー効率の高い電動車向けのメインモータ開発を進めていきます。重希土類を使用しないDyフリーボンド磁石「マグファイン®」の使用で、天然資源の利用効率も高め、「エネルギー」領域での貢献を推進していきます。

目標7 目標9 目標12

デンタル事業:生活の質向上のためのデンタル器具の提供

歯科用磁性アタッチメントについて業界大手とのアライアンスにより販売の強化を図るとともに、海外も含めより多くの方々に使っていただけるよう、適合インプラント拡大に向けた新製品開発を推進することで、「健康な生活」の実現に寄与していきます。

目標3

センサ・金属繊維事業:安全・健康な社会に「微小磁気のセンシング技術」で貢献

磁気マーカによる自動運転支援システム「GMPS」、また空港や駅でのセキュリティチェックへの超高感度磁気センサ「MIセンサ」の利用を推進し、「安全な公共・交通システムの構築」の実現を目指します。また、金属繊維「アモルファスワイヤ」の医療への活用を推進し「健康な生活」の実現に貢献していきます。

目標3 目標11

鉄供給材事業:「食料のソリューション」として、海外へ大きく展開

世界の耕地の三分の一を占めるアルカリ性の土壌では鉄欠乏が発生しやすく作物が育たないことや、世界中に蔓延しているカンキツ類特有の病気「カンキツグリーニング病」の改善に鉄が有効であることが確認されています。これまで日本国内向けに植物の鉄欠乏に効果的な鉄供給材の開発をしてきた実績・ノウハウを活かし、世界の土壌問題の解決を視野に開発を推進し「食糧」の安定確保に貢献していきます。

目標2 目標13

TOPICS

SDGs達成に向けての事例 ~「マグファイン®」での貢献~

Dyフリーボンド磁石「マグファイン®」は、強力な磁力と、当社独自の一体射出成形技術により、モータの高性能化・小型軽量化に貢献しています。また、重希土類であるDy(ジスプロシウム)不使用で、資源リスク回避にも貢献します。

最近では、ドローン用モータに採用され、物流・農業分野における労働力不足問題の解決に寄与した成果が認められ、日刊工業新聞“超”モノづくり部品大賞「モノづくり日本会議 共同議長賞」を受賞しました。また、経済産業省「新グローバルニッチトップ企業100選」に選出され、その技術の独自性や重要性が認められました。

今後も、「マグファイン®」が持つ価値を幅広い分野で活かし、地球・社会の課題解決およびSDGs達成に向けて取り組んでいきます。